プロテインキナーゼ阻害の検定 (I)




 多くのがん細胞で,増殖因子レセプターチロシンキナーゼや,下流のシグナ ル伝達経路の異常な活性化が,制御を逸脱した増殖に関与していることが明ら かになっている.増殖因子レセプターからのシグナル伝達系は抗がん剤の有力 な分子標的である.ここでは簡便なin vitro の自己リン酸化反応により, EGFレセプター(実験系1)とVEGFレセプター(Flt-1) (実験系2)のチロシン キナーゼの阻害活性を調べる.

【方法】
実験系1:
 A431細胞を蔗糖バッファーで破砕し,除核後,超遠心により膜画分を集め, 酵素液とする.これに,検体,EGFを加え,25℃,30分間保温後,ATPを加えて 0℃,15分間反応する.反応停止後,リン酸化されたレセプターをウエスタン ブロットにより解析する.

実験系2:
 精製したVEGFレセプターを酵素液とする.これに検体,ATP加え30℃,20分 間反応する.反応停止後,リン酸化されたレセプターをウエスタンブロットに より解析する.

【活性の評価】
検体は最終濃度10 μMになるように加え,リン酸化阻害の有無を判定する.阻 害活性のあった検体について,3段階以上の10倍希釈系列を作り再度試験を行 ない,1μM以下の濃度で50 %以上阻害したものを有効と判定する.



プロテインキナーゼ阻害の検定 (II)



 多くのがん細胞で,増殖因子レセプターチロシンキナーゼや,下流のシグナ ル伝達経路の異常な活性化が,制御を逸脱した増殖に関与していることが明ら かになっている.増殖因子レセプターからのシグナル伝達系は抗がん剤の有力 な分子標的である.ここでは細胞を血小板由来増殖因子(platelet-derived growth factor, PDGF) 刺激して,活性化されるPDGFレセプターチロシンキナ ーゼおよび主要な細胞内シグナル伝達経路(PI3 kinase-AKT pathway, classical MAP kinase pathway,PLC-PKC pathway)に対する検体の阻害効果 を評価する.

【方法】
 NRK細胞を96ウェルプレートにまき込み,3日間培養後,サンプル溶液を添 加,3時間処理した後にPDGFで刺激する.電気泳動用サンプルを調製し,リン 酸化されたシグナル伝達分子(AKT,ERK,PKD,PLCγ1,S6 ribosomal protein)及びphosphotyrosineに対する抗体によるウェスタンブロットを行 い,PDGFレセプターからの細胞内シグナル伝達に対する影響を評価する.

【活性の評価】
検体は最終濃度1,10 μMになるように加え,阻害の有無と阻害パターンを判 定する.阻害活性を示した検体については段階的希釈系列を作り,各シグナル 伝達分子活性化に対する有効阻害濃度を求める.



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